ゆうべはすごい風でした。
部屋の中にいても風音が聞こえました。
びゅうびゅう、ごうごうという風音の中、
ねこの鳴き声が聴こえました。
「んにゃあお」という短い鳴き声でした。
それは懐かしい灰ねこの声でした。
まさかな、と思いつつも、
私は部屋中を探しました。
雨の中、玄関を開けて見回しました。
灰ねこを火葬台に私が横たえさせ、
骨になってしまったことを私は知っています。
それでも確かに聴こえたんです。
私は灰ねこを探しました。
そして、いないのがわかって、私は泣きました。
0 件のコメント:
コメントを投稿